坂倉「・・・なぁ・・・早く大人になりてえよな・・」
俺「ああ。そうだな~。堂々とタバコ吸いてえな~。」
坂倉「そうじゃなくてさ。早く働いてさ。自分で金稼いで一人で生きていけるようになりたい・・って思うんだ。」
正直俺には何を言っているのかわからなかった。
俺はただただ大人に憧れていただけで一人で金稼いで生きていきたいと思ったことはないし
そんなことより夜遅くまで堂々と遊びたい!とかバイクに乗ってみたい!
とかそんな浅い大人像しか頭にはなかった。
俺「俺はそんなこと考えたことねえな。お前大人だな~。」
坂倉「子供だよ。子供だから・・・悔しいんだよ・・」
いつしか小さく赤く輝いてた満月は一つだけが呼吸に合わせ時に強い輝きを放ち
もう片方は消えそうな光を必死にとどめていた。
坂倉「俺さ・・・俺の親さ・・・親父の方が血が繋がってないんだよ。」
俺は坂倉の家族の事はほとんど知らなかった。
聞いても何も教えてくれないし家にも呼んでくれない。
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