約束
リリー・ローズはとても人懐っこく、もとの飼い主から酷い扱いを受けていたにもかかわらず、
いつも笑顔を絶やさない優しい犬でした。
そんなリリー・ローズの出産を見守っていた動物保護団体スタッフたちは、
子どもの命のために彼女の命を犠牲にしてしまったことに、心をひどく痛めていました。
そしてリリー・ローズの死を無駄にしないように、彼女が命を懸けて出産した子犬たちを立派に育てて、
ステキな家族を見つけてあげることを彼女の亡骸に約束しました。
乳飲み子の8匹には、母親の存在が必要です。
スタッフたちは子犬たちの新しい母親を必死に探しました。
リリー・ローズとの約束を守るために、スタッフたちは必死です。
親友のポカホンタス
そんな中、1匹の犬がリリー・ローズの子どもたちを引き取ってくれることになりました。
その犬は病院で彼女と知り合い、仲良くなったポカホンタスです。
リリー・ローズが出産を行なった病院には、もう1匹出産を終えた犬がいました。
その犬こそがポカホンタスでした。
リリー・ローズが出産の数日前から入院していた時、ポカホンタスはすでに8匹の子犬の母親だったのです。
そんなポカホンタスとリリー・ローズはすぐに打ち解け、2匹は親友になりました。
リリー・ローズが亡くなった時、ポカホンタスの子犬たちはすでに乳離れの準備中でした。
ポカホンタスは自身の乳をリリー・ローズの子犬たちに飲ませてお世話を始めたのです。
16匹の母
ポカホンタスは自分の子を含め、一気に16匹もの子犬の母親になりました。
16匹もの子犬を一気に育てることは、容易ではないでしょう。
しかしポカホンタスは子育てを投げ出さず、
リリー・ローズの子どもたちと自分の子どもたちを分け隔てなく育てています。
その結果リリー・ローズの子どもたちは、母親からの愛情をたっぷりと受けてすくすくと健康に育ちました。
子どもたちだけを残して、リリー・ローズも天国へ旅立つのはとても不安だったことでしょう。
しかし子どもたちには、優しいポカホンタスが付いています。
リリー・ローズ、どうか子犬たちとポカホンタスを天国から見守ってください。
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出典:The Dodo