駅で耳の聞こえない男性が酔っ払った人を見てとった勇気ある行動に誰もが感動した・・・

2003年9月4日

バイト帰りの駅のホームで酔っ払いが線路の上に落ちてしまいました。

いつ電車が来てもおかしくない状態にも関わらず、

ホームにいる30人余りの乗客たちは男性を助けようとはしません。

大学生だった伊賀崎俊さんは、意を決して線路上に飛び降りました。

泥酔状態の男性を抱き起こした時、異変に気付いた乗客の1人が加担します。

2人は無事、男性の救出に成功しました。

翌日、俊さんは自宅で母親の真理子さんに昨日の出来事を話しました。

真理子さんは顔をしかめて、「何てことしたの。非常ベルもあるじゃない」と叱咤します。

予想外の反応

母親の反応に俊さんは少し傷つきましたが、とある事故が彼の脳裏をよぎります。

それは、2001年1月に起きたJR新大久保駅の人身事故。

線路に落ちた人を救おうとした人が電車に跳ねられて犠牲になったのです。

さらに、俊さんは生まれつき耳が聞こえません。

聴覚障害の中でも最も重い2級なため、

もしも電車の気配に気づかなかったら最悪の事態になりかねなかったのです。

思い返せば運が良かっただけなのかもしれません。

しかし俊さんは母親に言い返しました。

「人が倒れているのにほったらかしにするのか」

自信

小学生の頃は友人に恵まれていました。

授業で聞き取れなかった所があっても、教えてくれる友人が常に傍にいたのです。

しかし、成長するにつれて環境は変わっていきます。

大学へ入るための予備校では、誰も俊さんに見向きもしません。

孤独な毎日が一生続くのかと思うと、不安でまたりませんでした。

大学生になった年、俊さんは母親の勧めで災害ボランティアの講習を受講しました。

自分の身は自分で守るという名目での受講でしたが、

「セーフティリーダー」に認定されたのをきっかけに俊さんに自信が湧いてきました。

その自信が、俊さんを勇気ある行動へと駆り立てたのです。

後日、俊さんは命を救出された男性家族に心の底から感謝されたそうです。

心優しくて勇気のある俊さん。

彼こそが現代版ヒーローに違いありません。

出典:読売新聞(2004/1/3)関西版 連載記事

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