意志の力
ベイリー君の生存確率は、この時点で70%。
細胞移植手術なども受けたことで、7月にはまた容態が安定してきました。
しかし8月末には、ガンがステージ4の最終段階にまで進んでいたのです。
ある日病院に向かう途中で、ベイリー君はレイチェルさんに対してこんなことを言い出したそうです。
「ミリーっていう名前がいいんじゃない」
妹さんの誕生を心待ちにしていた彼は、名前まで考えていたようです。
ガンが進行したことでベイリー君の余命はあと数週間と宣告され、
妹さんの出産までもたないだろうと言われていました。
しかし、ベイリー君はミリーちゃんに会うことができました。
レイチェルさんは、彼の意志の力に大変驚きました。
優しいベイリー君
しかしこの美しい時間がもうすぐ終わることは、本人も含めて家族全員が分かっていました。
まだ9歳のベイリー君は全身の痛みに苦しみながらも、最後まで家族のことをおもっていました。
彼は穏やかな表情でこう話したそうです。
「パパママ、僕のために泣くのは20分くらいにしてよ。ミリーとライリーの世話をしなきゃいけないんだから」
そして2017年12月24日、ベイリー君は両親の腕の中で静かにこの世を去りました。
父親のリーさんはこう語っています。
「耐え難い苦痛を感じていただろうに、息子はいつも笑顔でした。冗談を言って弟を笑わせてました」
苦しくても、ベイリー君は常に他者のことを考える優しい子だったのですね。
ベイリー君のご冥福を心よりお祈りしています。
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