お母さんの納骨の時は、車の外なんか殆ど見えて無くて、こんな所だったんだって驚いて。
景色は確かに綺麗なんだけど、線路沿いの民家がかなりまばらで。何か寂しげで。
降りた駅も無人だったし、駅すぐ横のバス停、日に三つとか四つしか時刻書いて無くて。
人通りとか全く無くて。これは確かに、一人で来るのはちょっと不安かなと思った。
道は彼女が覚えていて、まっすぐお寺まで行って。お墓の前立つと、妙に緊張して。
作法とか知らなくて。見よう見まねでお墓洗って。水取りかえて。少し、手合わせて。
彼女がそのまま動かないのを、半歩くらい後ろで待ってて。振り返った彼女は、笑ってて。
「帰る。」「もういいの?」「泣くかも。」「いいよ。」「禁止だもん。」
言い終わるより早く、歩き出してて。何度か振り返って、お寺出て。駅戻った。
帰りの汽車まで一時間半待ちくらいで。屋根はあっても直射日光浴びまくりで。
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