「00:02:09:38」少しずつ時間が刻まれる
ある男性が、自分の何かに気づくまでのストーリーです。
動画の中でこの中央の時計は、普段私たちが何とも思わず忘れていることの時間を刻んでいます。
「00:02:09:38 」
やりがいのある企業に就職して、毎日忙しく働く男性。
結婚もして子供も生まれ、家族にも恵まれてめまぐるしく大変ではありますが充実した日々を送っています。
遠方に住む両親からの連絡

忙しい仕事の真っ最中。
他のことには手が回りません。
そんな時、遠くに住んでいる両親から電話がかかってきました。
しかし男性は、両親の電話に対応している暇がありませんでした。
「ごめん。今会議中だから、またかける」

飲み会の合間に親からのメールが届きました。
馴れないであろう平仮名ばかりの文字。
しかし男性は、わずかに目を通すだけでつい後回しにしてしまいます。
親はどれだけの時間をかけてメールを打ったのでしょう。
両親が上京してきた
両親がこちらに来る機会があったからと男性の元へ上京してきました。
せっかく両親が会いに来てくれたのに、男性は仕事のことで頭がいっぱいです。

母の作ってきた手料理にも手をつけず、バタバタとタクシーに駆け込みます。
ろくな会話も出来ていません。
親は大げさに心配してくるものだ、と当たり前に思っていました。
しかし、自分を見送る母の顔が少し寂しそうに見えました。
仲が悪い訳では無い、話をしたくない訳でも無い、ただこっちにはこっちのやる事が沢山あって余裕が無いだけ。
様々な言い訳が頭をめぐってきます。
「00:02:09:38」
短い時間を刻んで、中央の時計は時を刻むことをやめました。
この時間が何を意味していたのか分かりましたか?
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