救いの手
幸いなことに、リリーとピンチのもとへ救いの手が差し伸べられました。
韓国では、犬肉の流通は法律で認められていますが、
2匹が売られた肉業者は営業許可を持たない違法業者だったのです。
そこに動物愛護団体『Humane Society International(HSI)』が地元の愛護関係者と協力して、
リリーとピンチを含む合計35匹の犬を救出しました。
「ここの生活は過酷なものです。絶望に満ちた檻の中から、来る日も来る日も仲間が殺されていく光景を目にし、最低限のエサだけを与えられる恐ろしい光景です。」
HSIのスタッフの1人であるデレクター・ケリーさんはこのように語ります。
救出された35匹のうち31匹が希望の地「ノースカロライナ・シェルター」へ向け、
アメリカへと旅立ちました。
悪徳業者との戦い
ノースカロライナでは適切な医療措置を受けられ、
愛される家庭犬として安心して生きていくことができます。
そう遠くない未来に、リリーとピンチは素晴らしい人間に巡り会えるでしょう。
もちろん、『肉』ではなく『犬』としてです。
「彼らは肉ではありません。普通に犬らしい犬なのです。」
ケリーさんはそう語りました。
HSIは韓国の食肉流通業者と戦い始めて、これまでに5つの悪徳業者を廃業に追い込みました。
現在では地元の動物愛護団体の協力もあり、約525匹の犬をアメリカに脱出させています。
犬は物ではありません。
悲しみの感情も、喜びの感情も持っています。
リリーとピンチがこの飼い主に飼われていた時、果たして幸せだったのでしょうか?
そして、尊い命を無造作に扱う悪徳業者も許されません。
酷い話でしたが、せめてリリーとピンチがアメリカで幸せになることを願うばかりです。
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