目の見えない世界。
当たり前のように視覚に頼っている健常者には、想像もできない世界です。
目を閉じて一時的に感じる事はできますが、まぶたを開ければ色彩豊かな世界が待っています。
これからご紹介するお話は、盲目の青年とある紳士の物語です。
盲目の物乞い
ある土曜日の朝のこと。
まだ開店していない店の前に、20代前半の青年が座り込んでいました。
身なりのボロボロな彼は、道行く人々に寄付を求めていたのです。

「私は目が見えません。助けてください」と書かれたメッセージボードを手に抱え、
足元には小さなお椀が置かれていました。
お椀の中には数枚の硬貨があるだけです。

そこへ1人の紳士がやって来ました。
いかにも上品で高級なブレザーと革靴を履いた紳士は、
盲目の青年に近寄るとポケットから数枚の硬貨を取り出し、お椀の中に入れました。
紳士はそのまま立ち去ろうとしましたが、ある事を思いついたのです。
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