電話ボックスの中のバリー
ある日、南ロンドンで小さな動物病院を運営しているエマ・センプルさんのもとに、
1本の電話が掛かってきました。
その電話によると、助けが必要な動物がいるとのこと。
すぐに連絡のあった場所に向かうと、
目に留まったのはなんと電話ボックスに閉じ込められた大きな犬だったのです。
名前は「バリー」と言いました。
バリーはどうやら右前脚を怪我しているようで、脚を浮かせて立っていました。
この電話ボックス、大きな身体のバリーには横たわる事もできない狭さだった為、
とても疲れているようでした。
そんなバリーの姿に、エマさんは胸が締め付けられるような思いをしました。
エマさんはバリーをそっと抱き上げ、動物病院へと連れて行きました。
その最中、バリーは車中で安心しきったように眠り始めたそうです。
生きることを諦めない
動物病院で診察を受けたバリーは、どうやらネグレクトされていたことがわかったのです。
保護されたときのバリーは右肩が脱臼しており、
交通事故に見舞われていたのに手当もされずに放置されていた事や、
完治していない古傷もあることがわかりました。
歩けない状態だったバリーですが、それでも一生懸命生きようとしていました。
人に傷付けられ、裏切られても強い気持ちを持ち、診察や手術なども耐え抜く頑張りを見せました。
そのおかげで、バリーは驚くべき回復力で徐々に元気を取り戻してきたそうです。
そんな治療の初期費用は、
エマさんの活動をサポートする支援者からの募金から補う事ができましたがその後も費用はかさみ、
20万円程はエマさんが負担をして今も返済しているそうです。
バリーはエマさんに救われ、幸せを手に入れようとしています。
ネグレクトを受けている動物達は他にもたくさんいることでしょう。
そんな動物達が少しでも減ることを、私達は願うしかありません。
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