肉球はただひたすらに上下する
バシバシバシバシ。
ふにふにふにふに。
ダンボールに入った猫は、ただただダンボールの羽根に置いた手をその肉球でもってひたすらに上下させています。
なにを思っているのかは一切わかりません。
しかめっ面でいかにも機嫌が悪そうなのに、その行動が気に入ってるのか、ただひたすらにダンボールの羽根を押しては返し、押しては返し……
時には目線を逸らし、なにかを見ているようでいても、その手は止まりません。
なにかに憑りつかれたようにバシバシバシバシと、ダンボールを叩き続けます。
ダンボールに何か恨みがあるのか、それとも前世の親の仇がダンボールなのか。
一見、遊んでいるようにも見えるので、なにかの遊具を思い出している可能性もあります。
まさに無の境地・・・
結局、この猫が執拗にダンボールを狙う理由は、私たちにはわかりません。
猫のみぞ知る、と言ったところでしょうか。
しかめっ面と鋭い眼光は、もともと野生の狩人たる猫の威圧感を感じさせる……
はずなのですが、眺め続けるとどうにもかわいく見えてしまいますね。
あなたの家の猫は、こんな風になにかに対して執拗に肉球を上下させることはありませんか？
もしあるとしたら、あなたは猫に「ダンボール」だと認識されているのかもしれません。
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