娘の入学金
男性の職業は掃除夫です。
娘たちに願っている事は自分のように見下される人間ではなく、
尊厳を持って人の前に立つ人間になってほしいという事です。
娘たちの教育に稼いだお金を注ぎ込むのも、
娘たちに尊敬を勝ち取ってほしいという思うがゆえの行動なのです。
そんな中、男性は娘の大学入学金を支払う日の前日までに、入学金を用意する事ができませんでした。
その日、ゴミの中で男性はうずくまりながら涙を流すまいと必死に堪えていました。
夢を叶えられなかったと打ちひしがれ、
貧しい人に良いことは起こらないと信じずにはいられなかったのです。
同僚はみんな男性を見てましたが、話しかけようとはしませんでした。
仕事の後に同僚たちが男性のもとへやって来て、その日の収入を手渡してきます。
断ろうとすると次のように話しました。
「俺たちは今日の食事を抜いたっていい。でも娘には大学に行ってもらわなければならない」
男性は、その日はトイレに寄らずにそのまま掃除夫として帰宅しました。
娘さんの現在
現在、娘さんは大学卒業を控えています。
またそんな大学生の娘さんはアルバイトを、他の3人は家庭教師をしてます。
そして、たまに大学生の娘さんは父親と一緒に仕事場へ行き、同僚たちに食事をおごります。
同僚たちが笑いながらなぜか尋ねると、娘さんはこう答えました。
「あの日、皆さんが食事を我慢してくれたおかげで今の私がいます。私がこれからも皆さんにずっとご飯を渡せるよう、祈っていて下さいね」
男性は最近、考え方が変わったそうです。
こんな子どもたちのいる親が貧しい訳がないという理由から、自分を貧しい人間と思わなくなったのです。
この男性の娘たちへの気持ちや姿勢は、全ての親に通ずることでしょう。
感謝の気持ちを忘れぬために、日頃伝えていない想いを親御さんに伝えてみてはいかがでしょうか。
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