代理母
1958年に上海動物園から来園したオスの「ワン」と
メスの「シュフ」と呼ばれた2頭のトラは大変仲が良く、
およそ10年間に12回出産し43頭が生まれるという多産記録を作りました。
昭和33(1958)年5月に上海動物園から来園したワン(オス)とシュフ(メス)は仲が良く、1960~1970年に12回・43頭という多産記録を作りました。これが上野動物園の初繁殖ペアで、トラの繁殖にはオスとメスの相性が重要なことがわかりました。 #トラ130年 pic.twitter.com/XSFQtJjPF3
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しかし母トラのシュフ、最初は子育てをしなかったのです。
育児放棄をされた子トラたちを育てるために考えたのが犬に子育てを頼むことでした。
たくさんの子を残した母トラ・シュフですが、最初の何回かは子育てをしませんでした。当時、動物用の粉ミルクは開発されておらず、牛乳やヤギの乳ではトラが育つための栄養が足りません。そこで、同じ肉食動物であるイヌに乳母を頼むことになりました。 #トラ130年
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出産直後に子を亡くし、動物愛護協会に保護された元・野良犬のビンゴは、授乳だけではなく体をなめるなど、献身的にトラの子を育てました。みるみるビンゴより大きくなったトラの子も、何かあるとビンゴの背に隠れて頼っていたそうです。 #トラ130年 pic.twitter.com/2MlVROwU1h
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野良犬だったビンゴは、たいへん献身的に子トラの世話をしたそうです。
出産直後に子どもを亡くしたビンゴは、子トラたちを我が子のように思ったのでしょうか。
お乳を与えるだけではなく、体を舐めたりと母親顔負けの育児だったようです。
それぞれの旅立ち
ビンゴのおかげで大きくなった4頭の子トラたち。
あっという間にビンゴより体が大きくなって逞しくなりました。
ですが子トラたちは、何かあるとすぐにビンゴの後ろに隠れていたようです。
どんなに大きく立派になっても、やはりお母さんに頼ってしまうのですね。
それほどビンゴは子トラたちのお母さんになりきっていました。
大きくなったトラの子は他の動物園に旅立ち、ビンゴも動物好きの家庭に引き取られていきました。その後ビンゴは大切に飼われて、推定16歳で天寿を全うしたそうです。 #トラ130年
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そんな子トラたちとビンゴにも、お別れの時がきました。
大人になった子トラたちは、別の動物園へそれぞれ旅立っていきました。
一方、役目を終えたビンゴは動物好きな家庭へ引き取られていきました。
元野良犬のビンゴは余生を可愛がられて過ごし、16歳の天寿を全うしたということです。
育児放棄されたトラの子は自然界だったら生きてはいけないでしょう。
我が子のように世話をする優しいビンゴがいて本当に良かったですね。
ビンゴもまた、幸せな余生を送ることができてホッとするものがありました。
このように、上野動物園ではいろいろなストーリーが生まれています。
ある1頭の脱走してしまったゾウと余命わずかの飼育員のお話について、詳しくはこちらをご覧ください。
出典:Twitter
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